臨床検査技師は職人なのか?
どうもです。そろそろレーベの村からロマリアへ旅立つ準備を進めている勇者ノーテンです。
今日のテーマですが、携わっている業務によっては賛否両論もあると思っております。私なりの立場から思うことを述べさせて頂きます。
反対意見もあればそれは結構です。よろしくお願いします。
早速ですが、臨床検査技師は職人だと思いますか?
「臨床検査技師は職人だから、こだわりをもって仕事しなきゃいけない。」
これは私が新卒で入った時に上司が言っていた言葉です。
素人が職人の定義を述べてしまうのも申し訳ないので、この際、職人というイメージは皆さんの中にあるもので結構です。
私としては病理検査のように染色をきれいにできる技術や、キメラマウスを作る技術をある特定の教授だけが持っていた(小保方晴子さんの「あの日」より)なんて話を聞くと、ある意味、職人といえるくらいの技術なように感じてしまいます。寿司職人になるためには卵焼きで5年は修業を積んで・・なんてのをホリエモンは寿司アカデミー行けば数年で身に着く!とぶった切ったのも記憶に新しいですね。
話が脱線しました。そのキメラマウスの例にとってみると、一人の人が高度な技術を持っていてそれを何年もかけて習得をして、臨床に生かしていくことが臨床検査技師の世界なのでしょうか?
以前、学会発表で、病理技師の方が病理の染色手技の比較検討で、病理経験2~3年の技師、ベテラン技師、プロトコールに従って未経験者が染色、機械法で染色の仕上がりの写真を並べてだしていたのを見たことがあります。素人の私には詳しいところはわかりませんでしたが、その結論としてはどれも違いがあり染色仕上がりの均一化に向けてはまだまだ考える必要があると言っていました。(うろ覚えですみません。)
生化学の数値を見るにしても、やはり新人なんかは小児科のALPを再検査かけてしまったり、基準値越えしていたらとにかく再検査したり、乳びしているのにTGが高いですと医師に電話する奴、フィブリンを吸っていて数値が低く出ていることにピンとこないまま報告してしまうこともあると思います。
すべてを言葉やマニュアルで教えるのも難しいので、それなりの経験値というものは必要です。
このような経験の差というものはどんな仕事にもあると思います。
ならば職人ってなんなんでしょう?
重箱の隅をつっつくように数値を再検査するのが職人のこだわり?
心電図のノイズをどんな時も出さないのが職人のこだわり?
溶血の影響がない項目でも、再採血させるのが職人のこだわり?
先日、トレッドミル心電図の検査後に気持ち悪くなって嘔吐してしまった方がいました。
医師の立会いもありましたが、結果をみて説明して、問題なしと診察室に戻った直後でした。
慌てて介抱しながら医師に内線コールしたところ、
「血圧は?」
と聞かれました。
「医療従事者でしょ!血圧くらい測って報告してください!!」
その後、先生と駆けつけた看護師がバイタルチェックし、迷走神経反射と検査前に患者さんがご飯をしっかり食べてしまったという事がわかりました。
このような場合、皆さまの職場ではどう対応していますでしょうか?
正直、自分は寂しく感じました。
臨床検査技師がバイタルチェックをするという事には結びつきませんでした。
先生から突拍子もなく「医療従事者でしょ!」と言われ、動揺をしてしまいましたが、何の情報もなく医師を呼べば良いというものではないです。(…かといって来てもらわないと困りますが。)
もちろんそんなマニュアルはないですが、臨床検査技師として病院の職員として、患者さんに何もできないのはちょっと悲しいですね。
それに血圧測定は医療行為ではありません。
臨床検査技師は検査の職人ではなく、患者さんの事を考えられ、医師や看護師と協力できる医療従事者でありたいものだなと私は思います。
結局、ベタな結論で申し訳ありません。