ACT/ET
心臓のエコーをやっているとなんかよくわからないけど計測している項目ってありますよ
やり始めたばかりだとこれってなんの計測をしているのか?と思い、くり返しながらやっているうちに理解ができてくるものもあるのではないかと思います
今日はACT/ETという計測項目の事から書いてみたいと思います。
【ACT/ETとは】
右心系を評価する指標の一つす。主に肺高血圧症の評価をするための指標ですが、これ以外にも推定肺動脈収縮期圧や肝静脈、下大静脈の拡張、呼吸性変動の減弱などあり、単体として基準値を超えたら肺高血圧かと言えるかといったらそうではないのかなと考えています。
肺高血圧症例
推定肺動脈収縮期圧 40mm 以上 (TRの最大圧較差)
右心系駆出時間(Act/ET)<0.3
下大静脈拡張および呼吸性変動の減弱
※肺動脈治療ガイドライン 2006年度版参照
他の施設さんはわかりませんが、自分の施設ではルーチンで計測をしています。
【肺高血圧症】
左心不全などの明らかな機序がなく、高度の肺動脈の血圧上昇をきたす病態のこと。上記の計測項目のほか、右室、右房の拡大、心室中隔の扁平化も認められます。
【右室拡大、機能低下を呈する疾患】
右室に対する容量負荷
先天性疾患(中隔欠損による左→右シャント) 三尖弁閉鎖不全
右室に対する圧負荷
肺高血圧、肺塞栓症、肺動脈弁狭窄症など
右室自体の疾患
肥大型心筋症、エプスタイン奇形、右室梗塞など
【肺炎と心不全】
肺の血管に血栓が詰まる肺塞栓症も怖いですが、心エコーを行う意義としては肺炎との関係も考えたいところです。
っといっても持っている参考書には肺炎とは書かれていなく、例えば急性の肺塞栓症では突然の呼吸困難や息切れ、胸痛などを発症するため、逆に考えてみれば肺炎の症状も右心負荷の要因になりうるのではないかということです。
実際、仕事で心エコーの依頼が来るのも慢性心不全で急性呼吸不全の方がいたりします。肺炎球菌ワクチンが推奨されるのも、肺炎症状から右心負荷がかかり、心不全症状が悪化することで命の危険があるからではないだろうかと、日頃、検査に関わる中で考えてしまいます。
【心臓を評価できるのはエコー検査】
腹部エコーの場合、CTやMRIなどの他のモダニティで確認をすることはできますが、心臓についてはエコーが唯一、臨床で評価できる検査方法です。それだけ、先生も心臓のエコーは重要な検査だと考えているのではないかと思います。
臨床検査技師の中にも心臓カテーテルに携わる方もいると思われます。私はそこまでの技量を身につけられる環境にはいませんが、日常で心臓のエコーをやっている中でも学べることは多いなぁと思います。
右心負荷というピンポイントなところで記事を書かせていただきました。
間違っている内容がありましたら申し訳ありません。
やっていくほど深まるのが心エコーですかね。
参考
【店内全品5倍】そうだったのか!絶対わかる心エコー 見てイメージできる判読・計測・評価のコツ/岩倉克臣【3000円以上送料無料】
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > 科学・医学・技術 > 医学・薬学 > 医学
- ショップ: bookfan 1号店 楽天市場店
- 価格: 4,320円