感度と特異度
昨年、12月に臨床検査に関する法改正があり、その内容として精度管理責任者を養成することが盛り込まれています。
その養成のための講習はeラーニングで行えるため、先日、職場の先輩と一緒に挑戦をしてみました。
その中で感度や特異度などの臨床的有用性の評価についての問題を解いて見たのですが、これがまたややこしくてわけがわからないという悲劇の結末を迎えてしまいました。
学校の臨床検査総論でやりましたが、本当に宇宙人の話を聞いているような印象で、つまりは苦手というかスルーをしてしまっていたところだなと改めて思いました。
国家試験にも数問は出てくるのではないでしょうか?簡単にまとめてみました。
検査の有用性の評価
・基準値・・・健常人の検査値分布に基づき、95%が含まれる範囲として設定された値
・カットオフ値・・・目的とする疾患群について、非疾患群との判別を主目的とする基準
このカットオフ値に基づく判別結果と目的疾患の有無の関係に以下の指標があります。
・感度(sensitivity)・・・真の陽性率のこと。疾患のある者のうち、検査が陽性の数。
※1-感度=偽陰性率
※感度/偽陽性率=陽性尤度(ゆうど)比
陽性者に着目した時に疾患者が非疾患者に対してどの程度陽性になりやすいかの確率
・特異度(specificity)・・・疾病がなく、検査も陰性の数
※1-特異度=偽陽性率
※偽陰性率/特異度=陰性尤度(ゆうど)比
陰性者に着目した時に疾患者が非疾患者に対してどの程度、検査陰性になりやすいかの確率
これらの指標は検査特有の値であり、カットオフ値が変わらなければ有病率に左右されません
・有病率・・全体の中で、疾患を有する確率
優れた検査法は感度と特異度が高いものをいう
例:感度の高い検査・・子宮頸部癌健診の細胞診など
特異度の高い検査・・胃癌確認のための胃生検など
また、感度、特異度を元に・・
・陽性的中率(予測率)PPV・・検査が陽性の時の疾患の存在確率
・陰性的中率(予測率)NPV・・検査が陰性の時の疾患が存在しない確率
と予測率も考えられます。
臨床検査の有用性に関する4つのカテゴリー
感度=a/a+b 特異度=d/c+d →横の列
陽性的中度=a/a+c 陰性的中度=d/b+d →縦の列
有病率=a+b/a+b+c+d
こんな感じで色分けするとわかりやすい?
感度や特異度、有病率 → 事前確率
陽性的中率、陰性的中率 → 事後確率
ベイズの定理に基づいているそうです。ちょっと理解しないと難しいです。
10-6. ベイズの定理の使い方 | 統計学の時間 | 統計WEB
ROC曲線
感度、特異度、偽陽性率、偽陰性率を元に臨床検査の有用性を示す曲線です。
意外と考えるとややこしいです。統計学はわかってくると面白いので、じっくり考えて見たいですね。HbA1cの値と糖尿病の関係なんかを統計にすると面白いのかもしれませんね。また、eラーニングにも挑戦していたいと思います。
参考