広い視野を持って
その昔、同じ職種の先輩が後輩の女性を紹介してくれて、一緒に食事をしたことがある。
その女性は既に仕事は辞めていて、今は自由を満喫しているとのことだったが、可愛い子だから会ってみたら?と誘われた。
初恋の人に振られて、出会いを渇望していた当時の私は半ば心踊っていた。
約束の当日、私は遅刻をした。電車が遅れていた、、というよりかは私が乗り換えをミスしてその電車がたまたま特快で、各駅を大幅に通り過ぎてしまったというなんともいえないハプニングだった。
「おいっww」と先輩は笑いながら怒っていた。
隣に紹介してくれた後輩の女性もいた。
お店の席についてから私は遅れた理由をちゃんと伝えた。たまたま特快に乗っていて、乗り換えをし忘れたら次の駅が遠かったと。
もっともな理由だった。冗談も言わずに真面目に伝えた。
こんな感じで食事中の会話がスタートした。先輩がうまく進行してくれたが、前は同じ職場の先輩と後輩同士で盛り上がる話題もあったりで。自分は聴いていることも多かった。
「ってことは○○の事は□□〜ってことですねー。」
時々、口を挟んでは話をまとめてしまう自分がいた。
「あーあ、またまとめちゃったぁ。」
最後の方で先輩はがっかりしていた。そして、隣の座っている元後輩は口を開いて…
「ノーテンさんって…やっぱり医療系の人って感じですよね。」
つうこんのいちげき!!
可愛らしい雰囲気から突然のブローをくらってノーテンのHPは瀕死に達した。
医療系の人・・。
そんなことを意識したのははじめてだった。
その元後輩は病院の雰囲気に馴染めなくて辞めたという話を後から先輩に聞かされた。
…医者の常識、世間の非常識という言葉がある。
これは医者に限ったことではないと思う。
もちろん病院で働く人の考えが狭いとかそのような批判をしたいわけでも、企業に勤めた方がコミュ力が高いとか人脈ができるとかそういったことを言いたいわけではない。
いろんな考え方が世の中にあって、まだまだ自分の知らない事なんかたくさんあって。自分のいる環境の中では当たり前と思っていたり、上手くやれていても違う場所に行けば当たり前ではないかもしれないし、でもそんな雰囲気だから安心して働けているところもあるんだと思ったりする。
当時の私はちょっと「俺、すごいだろ」みいたいな感覚で話をしていたのかもしれない。(今も同じ可能性あり?)
その女性が言ったことが全てではないが、自分はその〝医療系の人って感じ〝をなるべく出さないようにというか主張しないようなコミュニケーション作りをしたいと思っている。
病院の中にも事務職の人もいるし、外部の業者とのやりとりだってある。
そういった方々と話しの聴き方や、気の遣い方に(はっ…!)とさせられることがある。
外来で医師がぶっきらぼうに患者さんを呼んでいるのを聞いたり、ぶっ飛んでる病棟の看護師さんを見ると(なるほどな・・)と感じることがある。
いろんな世界の人がいて、自分の知らない考え方とか考えがあるんだって。
決して自分達が偉いなんてことはないし、今のご時世だって医療従事者に感謝を!なんてTVで叫んで、じゃあ、スーパーやドラッグストアで働いている人はどうなんだよと、突っ込みたくなる。
正直、自粛の中、スーパーで食材を調達できるのはありがたいし、ドラッグストアで日用品を買えるのはとても助かっている。
こんなことを真面目に書いていてこれもまた゛医療系の人゛なんだろうか。
批判的になるとどうも面白くない。
広く物事を見ていきたいなと思う。
BUMPが好きなのでここで一曲。
Covid-19も落ちついていくことを願いたい。