NOUTEN QUEST✨

過ぎ去りし時を乗り越えて…

細かいことはわからないが、COVID-19についてを言及する

毎日のようにCOVID-19についての報道がされていますね。

 

日経株価にも影響を与えたり、学校が一斉に休校になり、過去に例を見ない影響を社会に及ぼしています。

 

 

私は臨床検査技師という立場としてはやはり他人事とは思えません。

 

 

新型コロナウィルスのPCR検査をもっと実施して欲しいという声も挙がっています。

 

 

しかし、これについては私はNoと答えたいです。

 

 

まず、PCR検査については一般的には慣れない言葉だと思いますが、臨床検査技師としては日常的に口にしたり耳にすることはあると思います。

 

 

私は微生物検査に携わったことはありませんが、検査に出す検体を民間の検査委託会社に出す場合、喀痰や胸水中の結核菌を調べる検査としてPCR検査が行われています。

 

 

プレパラートに引いて顕微鏡でみる塗抹鏡顕検査(蛍光法など)と一緒に、結核菌の遺伝子検査としてPCR検査の結果が(+)または(-)という簡易的な形で返ってきます。

 

 

そこから4週、8週の培養検査において陰性だった場合に結核菌の感染は否定されます。(医師はそこまで見ているかは知りません。(+)だったとしても非定形抗酸菌の可能性もあります。そこについてはカッツ・アイ!)

 

 

つまりは即時診断としてはPCR検査はとても有用なのです。

 

 

ですが、この検査は人の手で行えるものではなく、繊細な温度管理が必要となります。専用の検査機器を用いなければいけません。総合病院や大学病院規模、または民間の検査センターでないとできない検査です。(そもそもプライマー試薬?はどこから調達するのか??…詳しいことはわかりません)

 

 

検査を可能になったとしても、きっと私のような地方の中規模病院に就てめている身としては、検体としての咽頭ぬぐい液を外部に出さなければなりません。現段階では保健所を介して専門機関に送っているので、回収の手続きもとらないといけません。

 

 

そうすると事務的な面でも混乱を招きます。

 

 

一斉に検査してくれと押し寄せたら、ルーチンの検査が手に負えなくなる可能性が大きいです。検査室は病棟や救急外来やらいろんなところからくる検体を扱っているので、新型コロナだけ扱うことはできません。

 

 

そして、何よりも結果が出たとしても治療法がないということ。

 

 

そもそもウィルス感染について、インフルエンザウィルスのついては、イナビルやタミフル、ゾフルーザ等の増殖を抑える薬は作られていますが、小児のアデノウィルスの感染症の場合は解熱剤などの対症療法が基本です。その意味では、咽頭炎で細菌感染なのか、ウィルス感染なのかの検査は重要なのです(細菌感染ならば抗菌薬が使えます)。検査室ではインシデントになりかねない案件です。

 

新型コロナウィルスが(+)とされても治療法がないため、対症療法です。お金をかけたところで、現状で検査がもたらすのは不安感だけです。感染のリスクを下げる目的もあるかもしれませんが、臨床的意義はあったもんじゃありません。

 

 

なので、検査体制を整えることも大事ではありますが、症状を悪化させずに治療や予防ができる方法、または、効果がある薬剤が見つかるの方が民間にとっては早急に求められることではないでしょうか。

 

 

臨床検査技師は医師ではないので、治療ができるわけではありません。ですが、日頃、検査に携わっているものとして、一人の医療従事者として、世間には冷静になって受け止めてもらいたいと思います。