新ヘタレ戦記 ノーテンW(ウイング) 第1部
☆お話をお楽しみ頂くために☆
あくまで個人の経験談を稚拙な文章で物語にしたものです。
「ガンダム」というワードは実際のものとは関係なく、便宜上の言い回しです。(とりあえず筆者がガンダムWのファンです)
特定の団体や個人を批判するものではありません。
物語のテーマはヘタレ主人公の成長です。
それでは、お楽しみ下さい。
第一部 OP
2010.4 月…
世間ではゆとりといわれた世代が社会に出る年となった…。青年ノーテンはキマグレガンダムという機体に乗って、田舎のコロニーから希望に胸を膨らませ、社会という名の惑星に降下した…。
ノーテンは所属した組織で、やさしそうな主任と賑やかな同期に囲まれた…。
まだ学生と社会に馴染めないところもあり、周りを困らせることも多かったが、与えられた任務をこなしていった…。仕事はとりわけできる訳ではなかったが、積極的な姿勢を見せるノーテンであった。
しかしどこか物足りない。新人にできることはそこまでないのはわかっていた。質問をしても「後で教える」と返されて、空いた時間は眠気と闘いながら勉強をしていた。残業になることもなく、ほぼ定時で帰れていた。
多少のミスもあったが、おおきな出来事もなく順調に行っている様にも思われた。半年後、夏も終わり秋になり、すこし開放的な気持ちにも蓋がされ始めた頃、職場の旅行のに参加した。夜、宴会の席で、社会人の嗜み!と、上司、先輩に注ぎに行った時、やさしそうな主任は自分の思うように動かないノーテンに激怒した。
「君は入った時から、帰れと言ったらすぐ帰るし、仕事の質問もしないし、居眠りはするし、なんなんだ!!」
戸惑うノーテン。口からは言い訳が漏れる。さらに関係はギクシャクする。
「縁もたけなわ。一本締めをしましょう!」
主任と二人、正座したままお説教。
周りはどうした!?と視線を送る。
それからは仕事場でやさしそうな主任とのもぎこちない関係が続いた。書類の日付の順番が違うだの、物品がなくなったのは君が盗ったのではないか?など、いいがかりもつけられ、ミスをすれば上に言いつけるぞと脅された。朝、来て仕事しないで立っていろといわれ、泣く泣く頭下げて仕事をさせてくださいと頼んだ。
ノーテンは部長との面談でこれはパワハラではないかと訴えた。部長も驚いたが親身になって聴いてくれ、頑張ろうと約束した。
だからといって何かが変わるわけではなかった。ゴミの捨て方を間違えれば床にほうり投げる。新人の仕事が終わらなくても上司はそそくさ帰る。もう限界だった。怒りが込み上げ、仕事にも行きたくない。地震でも起こらないかな..と冗談交じりに考えていた時に未曽有の大震災が起こった。
災害の爪跡を残し、世間は復興や節電をぽぽぽぽーんと訴えるようになった頃、ついに上司は組織にノーテンを辞めさせるように報告した。
「君をもう雇えない」
と部長との面談で言われた2年目の夏。
しかし部長は協力をしてくれた。ノーテンはまだうまく扱えないキマグレガンダムと共に転職活動に出ることとなった。
少し冷たく乾いた風に枯れ葉が舞う頃、無事、新しい場所に決まり、仲間とともに涙を流しながら祝杯をあげたのであった…。
これがまだ始まりの物語であることにノーテンはまだ、知る由もなかった。
第1部 完