NOUTEN QUEST✨

過ぎ去りし時を乗り越えて…

大したもんだぜ牛丼屋

ルパン三世が好きです。


どんなピンチな時もコミカルにすり抜けるあの気持ちよさが何とも言えません。


そんなルパン三世の初のテレビスペシャルであったバイバイリバティー危機一髪。


古き良きルパン三世のコミカルさがよく出ている作品だと思います。


何よりもルパンの声優である山田康雄さんのルパンが新鮮に感じました。


このスペシャルの冒頭で、とっつぁんこと、銭形警部に見つかった時のお約束のルパン節にこのようなものがありました。



「さすがだぜとっつぁん!この道一筋。大したもんだぜ牛丼屋~」





ん?牛丼屋??なんだそれと思いました。



このスペシャルがテレビ放送されたのは1989年。私はまだふにゃふにゃの赤ん坊だったので知りませんが、当時は牛丼チェーンなるものも世の中に出ていた頃なのではないでしょうか。(キン肉マンに吉野家っぽいものが出てきますしね。)


今は牛丼屋はカレーやその他の定食などを提供することも珍しくはありませんが、当時としては、牛丼一本で経営をしているところもあったのではないかと。それでルパン一筋な銭形警部に対しての牛丼屋という表現だったのかもしれません。


それをいったら蕎麦屋でも良さそうですが、蕎麦屋のつゆのだしを利かせたカレーとか親子丼はおいしいので生まれるべくして生まれたメニューではないかと思います。


今は、牛丼一本で生計を立てるなんて考えられない時代です。


副業もしなければ生活ができないくらいに水準が上がっています。


この牛丼を仕事に例えるとどうでしょうか?



少し、話は変わります。



私の職場に、とある試薬業者の営業マンが訪問していました。その人はもうすぐ還暦を迎えるおっさんで、いつも17時近くに訪問してきて長々と話をしたり、割とクセの強いおっさんだっでした。使い勝手の良さそうな試薬を紹介してくれるわけでもありませんでした。


部署の人たちも「うわ・・またあのおっさん来た・・。」くらいの感じで対応をしていました。私もめんどくさいおっさんだぁなんて内心思っていました。


そんなおっさんがある時、菓子折りをもって、会社の部下と一緒に訪問をしてきました。
今月で定年を迎えるから次の担当者と簡単にご挨拶に伺ったと。そのときにおっさんはこのようなことを話しました。



「実は私、この会社で営業一筋でやってきたのでして・・。本当にお世話になりました。」



その時、私はなんでこのおっさんがクセが強いのかを理解しました。それと同時に、20代にして転職を3回もしてしまった自分と比べたらこのおっさんは同じ会社で営業一筋でやってきて、これは到底マネができることではないんだということを察しました。



「それは・・・本当に長い間、こちらもお世話様でした!!」



そのおっさんとは部署としても長い付き合いであったわけでもありませんが、なぜか自然におっさんに対しての見方が変わったように思いました。



一つのことをやり通すこと。これほどすごいことはないと思います。すぐに嫌がって辞めてしまう今時の若者だった私の心にそのおっさんのクセの強さが響きました。



もしかしたら会社の中では厄介者になっていたとかそのあたりは定かではありません。退職後は実家の家業を継ぐと話していました。




そのおっさんが帰っていく背中を見ながら、私はこの言葉を言ってあげたかったです。







「大したもんだぜ牛丼屋~!」



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a.r10.to