主役ではないけれど主人公
臨床検査技師って本当にこれから先、需要がなくなる仕事なのだろうかと考えてしまうことはあります。
身近に医者や看護師を見ていて、病院の仕事の中でも一部しか関わっていないんだなぁと思ってしまって、なんでこんなになったのかって思ってしまいます。
先日、待機の時に病棟から呼び出されて、行ってみると患者さんの気管挿管をしているところでした。
あっ多分、血ガスが出るんだろうなぁとは思いましたが、部屋の中に入って医師から一言、「まだ大丈夫です。」
とりあえず処置が終わるまで待っていました。
こういう時って技師の仕事ってなだろうなぁと思ってしまいます。
前線に医師や看護師が立って、後方に待機をしているのが技師になるのかもしれません。
サポートができれば良いのですが、いきなり何かができるわけでもありませんし。
ただその場はなんとなく離れにくかったのはありました。
職種の垣根を越えてサポートができてしまったらそれはドラマみたいな話で。この場合はそのような現場に慣れていない臨床検査技師としては仕方のないことかもしれません。
もしかしたらそういった現場を見てきた人は、勘が養われていろいろできるようになるのかもしれません。
また、違う現場では、時間外で呼吸苦を訴えた患者さんがいて、酸素、ルート確保して入院にになり、とりあえず心臓のエコーをとって欲しいと頼まれたこともありました。
心エコーはルーチンでやっている検査であったので快く引き受けました。
心エコー所見ではTRがⅢ度あり、右心負荷の所見で、心房細動の病歴もなく、考えられるのもとしては肺塞栓症かな?と思いました。
担当Nsとも話し、一応、下肢静脈の血栓の有無をエコーで確認(これもルーチンでやっている)と、血液検査にDダイマーを追加するかどうかを医師に相談しました。
所見と合わせて医師は肺塞栓症を疑って、造影CTの同意をもらって検査を行ったところ、読影結果からその診断がつきました。Dダイマーも高値でした。
この時はとても達成感がありました。
すべてのことができるわけではありませんが、できることで臨床に貢献をする。
それで良いのかもしれません。
攻撃だけでなくて回復役が必要なように。
後方に回るポジションがあるのではないかと。
こういったことは医療の世界だけではなくていろんな仕事に言えるのかもしれません。
見えないところで汗を流している人達が居ます。
それを知らずに自分の権利とか不公平だとかあれこれ訴えるのは少し違いますね。
待っているだけでは仕事は降ってこないように。
できる技術を磨いて、勉強して。ぼうけんをしてみて知見を広く持ってみる。興味を持ってみる。関わってみる。
そうしたら少しは世界が広がっていくのかなと思います。
大きな組織に導かれるのを待つのではなくて。
ひとりひとりがそんなぼうけんの主人公になれたらと。
そんなことを思いました。