医者になれれば幸せなのか
大学生時代に医学部を浪人していた年上の友達や、一緒に働いていて「医学部を目指していたんです」・・と話す後輩がいる。
医師と交際をしていて、自分が臨床検査技師であるのを考えてしまうこともある。
病院で働くと医師は絶対的に上だ。
古き良き日本の体質と考えてしまえばそうなのかもしれないが、やはり医師と臨床検査技師は何か違うと感じてしまうところがある。
医師は患者の治療の責任があって、社会的にも世間一般的にも尊敬される存在だ。文系の最高峰は弁護士、理系は医者。子供の頃からは大人にそんなことを言われたか、テレビか何かでそれを知ってしまったのか。
自分は医者になりたいなんて思ったことはない。医学部に行ける程の実力がなかったんなんていってしまえば簡単だ。
病院で働きたかった。
臨床検査技師は医者みたいに医療の知識を学べてすごいなぁと思ったから、勉強して学校を卒業した。
社会人になったらそれはもうお医者様様!に頭を下げる人もいた。
検査室に低姿勢で検査結果を聞きにくる内科の先生もいた。
「俺たちは検査結果がなければ何もできない」と、お酒の席で話した研修医もいた。
臨床検査技師も立派な医療の仕事なんだと思える事もある。
「所詮、俺たちは臨床検査技師なんだ」
「君は自分の事を頭が良いと思っているのかい?」
「大した仕事していない(稼ぎの面で)」
「就職先に恵まれない」
胸にずっしり感じてしまう事もある。
この道を選択したのは間違いだったのか。他の可能性に検索をかけても眼精疲労が溜まるだけで嫌になってしまう。
あー医者になれば良かったなー。
本当にそう思っているのだろうか。
今はテレビでも勤務医の労働時間は問題として取り上げられる。
平日も休めず、土日は当直だったり。普通に勤務はハードだ。日曜日しかプライベートはない。
その中で一週間、休みをもらって海外旅行に行ってきました。なんて、いや、日々の勤務から解放されてゆっくり羽を伸ばしてきて下さいと思えないか。
臨床検査技師も少なくとも自分の働いてている施設は、オンコールで夜中に呼ばれるが、当番の人に引継いで定時上がりができるし、子供の迎えも行けたり、休みもフレキシブルにとれ、クセの強い先輩もいなければ、給料は低くても理想の働き方ではないか。
医者になったら幸せなんてほんの一部しか見ていない人なら思うだろう。
医局に入れば上下関係もあるし、自分1人で自由にはできないだろう。
研修医なんてゴミ以下と看護師に揶揄される時期もあるだろう。
急に「マンション買いませんか?」ってどこからか連絡先を調べられて電話がかかってくる事もあるだろう。
アホな女にお医者さん❤️と食い物にされるかもしれない。
医師として一人前になるまでの道のりは険しいし、なってからも大変だ。
山を登らずに「頂上の景色は綺麗なんだよ」なんて言っても中身がない。
良い給料もらってるとか、眩しい部分ばかり見ていても妬みしかない。
医者でも勉強したりコミュニケーションがとれない人は、コ・メデカルから見ても嫌われるし、これは会社の人間関係も同じだと思う。
臨床検査技師の国家試験を辞退し、医学部目指したけれど、諦めて、後に再受験で臨床検査技師になった友達は、今や結婚もしてパパになった。
医学部目指していた後輩も、仕事で検査についてを目を輝かせて勉強していた。また、いつか挑戦みたら良いよと言ってあげた。
きっと30歳を過ぎてからも目指す事はできると思ってる。
人生いろいろあるし、何が起こるかなんてわかんないから。
日々を努力しながら生きて行こうと思います。