大型血小板
先日、血小板値が前回よりも減少していて、もしかしてEDTA偽性血小板減少と思って血液像を引いてみました。なれない鏡顕をしてみたところ、どうやら赤血球の半分くらいの大きさの血小板がちらほら認められて、凝集というには所見に乏しいものでした。
血算の測定器に表示されるヒストグラムを見ると凝集かどうかの参考にはなります。ピークはきれいに出ていたので、凝集は否定でき、参考に血液像の本を開いてみたところ、大型血小板が考えられました。
大型血小板・・4~8μm(赤血球の1/2程度)
巨大血小板・・8μm以上(赤血球よりも大きいもの)
っということは血小板減少は真の値と考えられるので、医師には報告しておいた方がよいなと思いました。併せてHbも徐々に下がっていたので、輸血の依頼が入るかなとも思い、直接報告をしました。
大型血小板(巨大血小板)についての意義を調べてみました。
【先天性】
メイ・へグリン異常
ベロナール・スーリエ症候群
【後天性】
骨髄疾患:骨髄増殖性疾患(慢性骨髄性白血病、本態性血小板血症、真性赤血球像多少
、骨髄異形成症候群(MDS))
血小板崩壊:特発性血小板減少性紫斑症(ITP)
その他:大量出血後
一般に骨髄での血小板産生が亢進している時に大型血小板が出現しやすく、骨髄疾患等で巨大血小板が出現することもあるそうです。
※血小板は巨核球からできるので、その未熟なものと考えるとなんとなく理解ができそうです(違ったらすみません)
なので、この場合は病的というよりも血小板減少に伴い、産生が亢進していると考えるべきか。
「積極的に疾患は疑えませんが、参考程度に」と医師にはお伝えしました。
「経過をみて輸血はするかもしれない」と医師は返してくれました。
機械法でも光学法と電気抵抗法で比較すると大型血小板の判別もできるようですね。
あまり血液像をみる機会は多くないので、勉強になりました。
大したことではないのかもしれませんが、こんな関わり方も臨床の検査技師なのかなと思ってしまいました。