EBウィルスによる急性肝障害
久しぶりの更新です。
ツイートでもありましたが、今日はこのテーマについての記事を書いてみようと思います。
おそらく学校でも必ず耳にすると思います。
Epstein-Barr virus(EBV)
伝染性単核球症
異型リンパ球
臨床検査技師の国家試験の勉強などで、このセットで思えている人も多いのではないでしょうか。
なんか難しそうな名前だし、そんなにお目にかかることはないのかと思ってしまいますね。
日頃、一般的な病院の臨床検査室で働いている私から見て、この患者さんは日常的に内科外来に罹るといった印象です。
参考にリンクを貼っておきます↓
伝染性単核球症 - 16. 感染症 - MSDマニュアル家庭版
※一応、私は医師ではないため、診断のプロトコール等の知識はありません。日頃、仕事をしている中で知った事を基に記事を書いている事をお断りしておきます。また、知識がある方からしたら物足りない内容かもしれません。
主に患者さんは発熱や疲労感、喉の痛みなどを訴えて受診をされるので風邪の症状と似ています。
医師にもよるのかもしれないですが、大学病院や総合病院などを除き、夜間休日の外来などで検査室が開いていない病院もあり、解熱剤などの処方をして熱が下がらなければ再度、受診をしてもらったりすることがスタンダードなのでしょうか。
(あるいは疑いが強く持てればそこでオンコール対応などで検査を実施するのでしょうか。)
上記の理由で休み明けの外来で再度、患者が内科を受診された際に血液検査の依頼が出たりします。
生化学や血算、白血球分画の検査ならば重装備診療所等でも可能です。
そこで肝機能(AST,ALT)やリンパ球有意(LYMP>NEUT)などの所見があった場合、ウィルス性の感染による肝障害等を強く疑えると多います。
臨床検査技師としてもこの場合はもしかして?と気がつけたらなかなか良いと思います。
ただ、肝障害といっても考えられる原因(腫瘤とか胆嚢炎など)もあったりするので、医師はエコーや単純CTの画像検査の依頼を出すと思います。
そこで脾臓の腫脹などが認められればより強くEBVを疑うでしょう。
それからウィルスについての検査が追加で依頼されます。大規模の病院でなければほとんどが業者に外注になると思います。(HBs 等の肝炎ウィルスならば院内で実施しているかもしれませんが…。そして項目が多ければ検体量が足りるかどうかの確認もしないといけませんね。)
患者さんは抗生剤を点滴しながら症状が軽快するまでは入院対応になるでしょう。
ウィルス抗体価が出るまで待ちかな・・・と思うのですが、一つ忘れていることがありますね。
伝染性単核球症の所見として異型リンパがあるかどうかをまだ医師に伝えていません。
仮に自施設の検査室では血液像を引いていないとしても、ギムザ染色液くらいは置いてあるのではないかと思います。
外注に出すにしても、医師にチョロっと「どうします?」くらいは言いに行っても良いと思います。
This is 臨床です!(うるせーよ)
一応、私は血液検査を担当していたら血液像は引いてギムザ染色をして見ています。(施設によっては血液担当技師が勉強して指導もしていると思いますが、私の施設は技師の人数が少ないため、経験によって担当を配置する事は難しく、外注を出して確認をする事を取り決めています。)
自分の勉強のためでもありますが、異型リンパ球疑いのものがあれば医師にも見てもらうなどの対応はしてもらいます。
ウィルス抗体価にしても血液像にしても全て外注業者から結果が返って来るまでは数日はかかります。その間、患者さんは入院で治療を行なっているので、時間をとらせることはないとは思います。
結果としEBV-IgG EBV-IgM(その他サイトメガロウィルスの抗体価も一緒に出たりする)が陽性であれば確定診断になるでしょう。
症状も軽快してくれば退院の対応になると思います。(肝障害の数値は後に外来フォローになるのかもしれません。)
っとこんな感じの流れがあるのかなと書き上げていました。
まとめとして、臨床検査技師として働いている身としては、血液像から異型リンパ球を医師に報告できたら診療に貢献できるのでしょうか?ウィルス抗体価にしても出るまで時間がかかるので、外注対応でも問題はないと思いますが。
場合によってはEBVが陰性もありますし、食中毒で肝障害になっていることもありますし、エコーで胆嚢虚脱とか、肝腫大とかいろいろ所見はあります。
医師ではありませんので診断も治療もできません。しかし、仕事をする上ではある程度の知識や技術があっても損はないですし、お金にならなくてもやりがいは感じたりします。(人事評価とかで考慮してもらえたら最高です)
自分としては血液像をちょっと見れるように勉強をしてみようと思いました。今後の課題ですね。
あんまり身にならない内容になってしまったかもしれませんが、簡潔に伝えるためであり、個人の視点から書いたものであるため、多少の間違いもある事をご理解いただけたら幸いです。